中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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「確かに」がない文例

 小論文や作文の書き方に、「確かに・・・しかし〜」という型があります。次の例には、「確かに」が書かれていません。

 中学校の冬休みの宿題の一つに書き初めがある。毛筆は、墨汁で手が汚れてしまったり、筆が柔らかく書きづらかったりして、難しいと感じる人もいるだろう。しかし、そこが毛筆の醍醐味ではないかと思う。
 僕は、小学校1年の時から書道教室に通っていたこともあって、筆で字を書くのが好きだ。使いづらい筆をうまく使えるようになるとうれしいし、筆を動かしているときが、僕にとって最も集中できると感じるからだ。毛筆は昔からずっと親しまれてきたというところもいい。
 僕たちは、毛筆という伝統文化を今、授業で習うことができる。少しでも多くの人が、この素晴らしい文化を理解し、正しい姿勢で、精神を集中して字に向き合う時間を持ってほしいと思う。
(読売新聞 2012年1月26日朝刊 気流 「精神集中する毛筆文化受け継ぎたい」 東京都 中学生 14)


 この作文は、読みやすく分かりやすいと感心しました。

 読みやすいと感じたのは最初の段落です。読む流れが途切れないからです。「確かに」や「なるほど」は書かれていません。「確かに毛筆は、墨汁で・・・人もいるだろう。しかし、」とあると、「本当だろうか」と気をつけて読んでしまいます。

 分かりやすいのは作文の構成にあります。身近な書き初めの話題から始まり、毛筆の短所、長所、結論へと続きます。また、「そこ(=難しいこと)が毛筆の醍醐味ではないかと思う」という切り替えしによって、短所と長所がつながり、短所を長所が含む(=解決する)ようになっています。

毛筆の短所:
 難しいと感じる人もいる。
   墨汁で手が汚れる。
   筆が柔らかく書きづらい。
毛筆の長所:
 難しいと感じるのが醍醐味。
   筆で字を書くのが好きだ。
   筆をうまく使えるようになるとうれしい。
   集中できると感じる。
   昔からずっと親しまれてきた。
結論:
 精神を集中する毛筆文化を受け継いでいこう。

(参考)
 日本語では、「確かに(なるほど) ・・・ しかし 〜」という表現はなじみが少ないのではないでしょうか。英語では、「 It is true that ・・・ but 〜 」の構文があります。
 true は事実や本当を表し、「・・・は事実・本当だが、〜だ」という意味です。
例: It is true that writing with a brush is difficult, but it has the real pleasure.
 (確かに毛筆は難しいが醍醐味がある/毛筆が難しいのは事実だが醍醐味がある)


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