中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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古文の言葉257

古文 目次 >

 次の文章を読んで、後の問いに答えてください。

  長常(ながつね)といふ彫り物師は、類ひなき上手なり。 丸山応挙(まるやまおうきょ)も画(え)の上手なりしが、阿波守(あはのかみ)とふ人、長常に「小柄(こづか:日本刀に添える小刀)を彫りてよ、応挙の下絵をかかせん」ととあつらへければ(頼んだところ)、長常うべなひたり(引き受けた)。よりて阿波守、応挙にしかじかといひければ、すみやかに下絵をかきておくりしかば、阿波守、長常の方に持ち至りて、下絵を与へければ、長常、「この下絵にてはえ彫らじ」といひたり。「いかなれば」と 波守問ひつれば、これはわれに彫らさんと告げて、応挙に下絵をかかせたまひしと見えて、応挙は画の上手なれば、わが彫るたがねぐせ(ノミで彫るときの癖)をそのままかきたり。常に悪しきたがねぐせなれば、直さんとのみ思ふ。そのくせを彫らんとするはいと難きことなりといひければ、阿波守ものの上手どもの妙なるを感じて、小柄を彫らすのをやめたり
  (「橘窓自語」 香川県高 入試文より)

 橘窓自語(きっそうじご)は、江戸時代に橋本経亮(はしもと つねすけ)によって書かれた随筆です。

 この古文を、映画や劇の台本のように、‥仂貎擁、▲判颪(状況説明)、台詞せりふ(登場人物の発言)の構造で捉えてみましょう。

登場人物
 阿波守(あはのかみ) … 大名。小柄の彫刻を頼む。
 長常(ながつね) … 彫る名人。たがねを使って彫る。
 円山応挙(まるやまおうきょ) … 絵の名人。作品

ト書きと台詞の概要
 阿波守が小柄の彫刻を頼むため、応挙に下絵を描かせ、長常に彫らせようとした。
 下絵を見た長常は、自分の癖が下絵に表れていたので、阿波守に訳を話して彫るのを断った。

問題
1. 「この下絵にてはえ彫らじ」とありますが、この下絵では彫ることはできないと、長常が言った理由はどれですか。
 名人の下絵をもとに彫り物をすると、張り合おうとする気持ちが生じて普段は現れない自分の悪いくせが出てきてしまうから。
 くせのある下絵をもとに彫り物をすることは、その下絵の影響を強く受けてしまい自分らしさを失うことになってしまうから。
 自分の悪いくせを捉えた下絵をもとに彫り物をすることは、直そうと思くせをわざわざ彫ることになってしまうから。
 細部まで巧みにかかれた下絵をもとに彫り物をすると、自分の悪いくせがより強く出て下絵の良さを台無しにしてしまうから。

2. 小柄を彫らすのをやめたり、とありますが、阿波守はどのような思いからこのようにしたと考えられますか。
 長常と応挙の、作品づくりにおいては誰の意見にも左右されまいと する態度に触れて、 二人の誇りを尊重すべきだという思い。
 長常と応挙には、名人同士であるが故に互いに気づ くものもあるのだと感心して、これ以上立ち入ること はできないという思い。
 長常と応挙の、技術の向上のためには他のすべてを 捨て去るのだという覚悟を知って、容易には仕事を依頼できないという思い。
 長常と応挙には、互いに短所を指摘し技を高め合う ようなつながりがあると感じ、名人にしかわからない境地があるという思い 。

答 え











答 え
1. ウ

2. イ

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