中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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調査研究型の事例

 調査研究型の文章構成は、「結論→方法→結果→解釈」が基本になっています。結論の理由が方法・結果・解釈です。解釈は、結果について考えたことです。

 これから因果関係に関する調査研究型の事例を紹介します。出典は日本自然保護協会『自然保護』 MAY/JUN.2006 No.491 p26 です。結論・方法・結果・解釈を(青字)で付け加えています。

大きな魚ばかり捕ると、魚の繁殖能力が低下する。
(結論)
 ニューヨーク州立大学と東京農業大学の研究グループは、世界中で一般的に行われている「大きな魚から捕っていく」という漁法が、魚の遺伝的傾向を変化させてしまう可能性があることを明らかにした。
(方法)
 トウゴウイワシの仲間の魚を実験室で3つのグループに分け、1つ目のグループでは群れの中から大きな魚だけを捕り、2つ目のグループでは小さな魚だけを、3つ目のグループでは体の大きさに関係なく捕っていった。これを毎年繰り返し、取り残された親だけで繁殖させた(。)
(結果)
 (その)結果、わずか4年後(4代目)に、大きな魚だけを捕っていたグループの魚は遺伝的に小型化した。しかも小型化したことで、母親の産む卵の質や稚魚の生存率、成長速度などは10〜60%も低下し、餌を食べる能力までも劣ってしまった。
(解釈)
 この結果は、小さな子どもの魚を海に戻せば個体数を回復できるとされている現在の漁法では、自然状態で生息しているはずの健全な固体をどんどん減少させてしまう可能性を示唆している。
 生物資源の保護として「子ども」を残すことは重要だが、遺伝的に劣る固体を残すことで、保護したつもりになってはいけない。正しい保護には正しい科学的根拠が必要である。
(千葉 晋/東京農業大学生物産業学部アクアバイオ学科講師)

 カラー写真が豊富な『自然保護』誌は、日本自然保護協会から隔月で発行されています。この協会ができたのは、尾瀬の湿原を電力ダム開発から守る活動がきっかけです。『自然保護』誌は作文・論文にかぎらず、自然環境や環境問題を考える上で参考になります。


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