中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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問題解決型の事例

 問題解決型では解決する課題に対し、複数の解決方法と評価の基準を示し、解決方法が最善であることを論証します。

 わが国最初のヒマラヤ踏破者である河口慧海(えかい)の意思決定をもとに、問題解決型の事例を紹介します。

 僧籍を離れた慧海は仏教の原典を求めて日本を出発し、3年後の1900年についに世界の屋根ヒマラヤを越えて、日本人として初めて鎖国中のチベットに一人で入国します。
 ネパール側から国境になっている雪の高峰を越え、チベット側に下っていくと、テントが二つ三つ見えます。潜入の発覚を恐れた慧海は、深山の方に行くかテントの方に行くか迷います。
 慧海が迷ったのは、経路選択の問題がジレンマになっていて、どちらの方法も危険だからです。
 深山の方に行く:見つかりにくいが、道がない可能性があり危険である。
 テントの方に行く:道がありそうだが、見つかる可能性があり危険である。


 思案の末、慧海はテントの方に行くことを決心します。理由は、道がありそうなテントの方に行くほうが安全だと判断したからです。慧海の問題解決を、河口慧海『チベット旅行記(一)』の「第十八回 雪中旅行」と「第十九回 入国の途上」(講談社学術文庫)から要約します。

問い:仏教の原典を得るために、チベット人に見つからないように行くにはどうすればよいか。(解決する課題)
答え:テントの方に行く。(最善策)
理由:
 解決方法:
  深山の方に行くか、テントの方に行く。
 解決方法の評価:
  テントの方に行くのが安全だ。
  /嫉海諒に行くと、道がないので危険だ。
    深山は重畳として取るべき道はどこにも見あたらない。
    人家がないからといって、全く道がない所に出てしまうと、また
    困難な場合に陥る。
  ▲謄鵐箸諒に行くと、疑われるかもしれないが道がありそうだ。
    テントが二つ三つある。
    怪しい奴だと疑われるかもしれない。
    テントのある横に大変低い山間があり、間道がありそうな所が
    ちょっと見えている。

観点 \ 方法 深山の方に行く テントの方にいく
進入発覚の可能性 ○1 少ない。 ○1 怪しい奴だと疑われるかもしれない。×−1
経路の安全性 ◎2 深山重畳として取るべき道はどこにも見あたらない。 ×−1 間道がありそうな所がちょっと見えている。 ○1
方針一決 (評価 深山の方へ行くのはよろしくない。 −1 テントの方に行くのが安全だ。 1

 慧海は危険を分析し、「テントの方に行くのが安全」と方針一決しました。仏教の原典を得るために、「進入発覚の可能性」よりも「経路の安全性を」重視しました(表では重みを1と2にしています)。これらの重みを、「深山の方に行く場合と、テントの方に行く場合の良さの度合(表では1と−1)に掛け合わせると、評点は「テントの方に行く」が高くなります。

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