中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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論文の「私」「私たち」

 開高 健は、文章中に「私」を書かないようにしていることで知られています。「私」を使わずに書くことが名文につながるようです。

 紀行文や小説を離れて、論文では「私」はどのように使われているでしょうか。

 そこで、『ゲノム科学がひらく医療』(別冊日経サイエンス)で、「私」のつく箇所を探してみました。この本には15の論文(外国12、日本3)が載っています。

 調べた結果、「私」が使われているのは、1論文中に平均2個前後であることがわかりました。1論文は平均2万字で、400字詰め原稿用紙で50枚に相当します。独自性を強調するときに、「私(たち)は・・・考えた。」「・・・明らかにした。」「・・・見つけ出した。」のように使われています(下表)。

 「私」「私たち」は、15論文中に43個ありました。字数は30万字(≒140頁×2200字/頁)です。「私たち」は、「私たちの研究グループ」の意味と、「私たち人間」の意味で使われています。前者は、研究グループの主張を表しています。

私〜 個数 表 現
私は の理由がわかった、と呼んでいる、に成功した、と考えた、取り組んだ、明らかにした、と思っている、提示したいと思う
私が 位置づけるのは、見つけ出した、見出した
私の〜は の研究は
私たち(グループ)は 20 を挙げてきた、に注目することにした、と考えた×2、と考えている、を測定した、見つけている、明らかにした×2、を明らかにしつつある、を思いついた、を調べてみた×2、に成功した、を知っている、に気がつきはじめている、を検出している、を検討した、という実験をした、を応用している
私たち(グループ)の のやり方で、の分析によると、の実験は、のモデルで、の発見は、のデーターだけで、
私たち(人間)が 〜を理解するには
私たち(人間)の の体の中に、の体は、の体をつくっている、の細胞の中には、
43 1論文 2万字(≒30万字÷15論文) 

 結果から、「私」が使われているのは、1論文中に平均2.5個です。主張と関係ない「私たち(人間)」5個を除外すると、平均2.5(≒38個÷15論文)になります。字数でみると、「私」がでてくる割合は、0.01%(≒43字÷30万字×100%)です。
 なお、「私」を多用する論文が2つあり、日本人10個、中国人10個となっています(「私たち人間」を含みません)。これらを例外とみなし除外すると、平均1.4(≒18個÷13論文)となります。論文はそれぞれ、「HLAに合わせたパーソナルワクチン」と「遺伝子操作で記憶力を増強」です。

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