中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
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自由研究に― アリの帰巣行動

 アリが巣にもどる行動について「アリの体内に”歩数計”」という新聞記事(2006年6月30日)を紹介しました。アリの帰巣行動は、小学生用国語の教科書にも「ありの行列」の題名で載っています。

 ありの行列  大滝 哲也 文
 (前略)
 アメリカに、ウイルソンという学者がいます。この人は、次のような実験をして、ありの様子をかんさつしました。
 はじめに、ありの巣から少しはなれた所に、ひとつまみのさとうをおきました。しばらくすると、一ぴきのありが、そのさとうを見つけました。これは、えさをさがすために、外に出ていたはたらきありです。ありは、やがて、巣に帰っていきました。すると、巣の中から、たくさんのはたらきありが、次々と出てきました。そして、列を作って、さとうの所まで行きました。ふしぎなことに、その行列は、はじめのありが巣に帰るときに通った道すじから、外れていないのです。
 次に、この道すじに大きな石をおいて、ありの行く手をさえぎってみました。すると、ありの行列は、石の所でみだれて、ちりぢりになってしまいました。ようやく、一ぴきのありが、石のむこうがわに道のつづきを見つけました。そして、さとうにむかって進んでいきました。そのうちに、ほかのありたちも、一ぴき二ひきと道を見つけて歩きだしました。まただんだんに、ありの行列ができていきました。目的地に着くと、ありは、さとうのつぶをもって、巣に帰っていきました。帰るときも、行列の道すじはかわりません。ありの行列は、さとうのかたまりがなくなるまでつづきました。
 (中略)
 はたらきありは、えさを見つけると、道しるべとして、地面にこのえきをつけながら帰るのです。ほかのはたらきありたちは、そのにおいをかいで、においにそって歩いていきます。そして、そのはたらきありたちも、えさをもって帰るときに、同じように、えきを地面につけながら歩くのです。そのため、えさが多いほど、においが強くなります。
 このように、においをたどって、えさの所に行ったり、帰ったりするので、ありの行列ができるというわけです。
 このえきのにおいは、ありのしゅるいによってちがうことも分かりました。それで、ちがったしゅるいのありの道しるべが交わっても、けっしてまようことがなく、行列がつづいていくのです。
(宮地 裕著『国語 三(上) わかば』、光村図書出版、2006.2)

   
 「ありの行列」を読むと、アリが行列をつくる理由がよくわかります。餌を見つけたアリは体液を地面につけて巣に帰り、そのニオイの道をたどってアリたちが餌と巣を往復する、という考えです。

 では、餌を見つけた最初のアリは、どのようにして巣にもどるのでしょうか。巣を出るときもニオイの道をつくっているのでしょうか。これをニオイ仮説とよぶことにします。しかしニオイ仮説では、「アリの体内に”歩数計”」での実験結果が説明できません。理由は次のとおりです。
方法:巣にもどる前にアリの脚を人工的に長くしたり短くして、脚が長い・そのまま・短いアリが巣にもどる様子を観察する。
結果:脚の長いアリは巣を通りこした。脚がそのままのアリは巣にもどれた。脚の短いアリは巣の手前で立ち往生した。
解釈:ニオイによって巣にもどるなら、脚の長さに関係なく巣にもどれることになる。しかし、もどれないアリがいた。したがって、ニオイによって巣にもどるとはいえない。


 「ありの行列」のアリと「アリの体内に”歩数計”」のアリとは種類がちがう可能性があります。前者はアメリカのアリである可能性が高く、後者はアフリカのアリで、行列をつくる習性がないかもしれません。

 アリが巣にもどる方法を自由研究してみませんか? たとえば、.掘璽箸鰺儖佞靴泙后穴から出てきたアリが遠ざかったあと、シートをかぶせます。そして、アリが巣の近くにもどれるか確かめます。巣にもどれれば、ニオイによらないでしょう。巣にもどれなければ、ニオイをもとにしている可能性があります。


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