中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
<< September 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 「です・ます」調と「である」調 その2 | 最新へ | 辞書と辞典の関係 >>

未開の文化と現代の論理

 フランスの文化人類学者レヴィ=ストロースは、未開といわれる部族の文化を研究し、結婚制度や神話の構造を明らかにしました。一方、西欧ではアリストテレスにはじまる三段論法から、20世紀の反対・小反対・大小・矛盾をあらわす現代論理学へと発展していきます。未開の結婚制度も現代論理学も、四項対立という同じ構造があり、未開の部族がむしろ「先進国」になっています。

1. 未開の結婚制度
 未開の部族においてカリエラ型という結婚制度があります。近親婚を避けるため、部族が4つのグループに分かれています。父方居住集団Fと別の父方居住集団f、母系Mと姉妹系Sに分けると、FM、FS、fM、fSができます。
 結婚の規則を示します。FMに属する男とfSに属する女が結婚すると(\線)、子は父方のFSに属し(上―線)、母がfSで子がFSです(右|線)。fSの男とFMの女が結婚すると、子は父方のfMに属し(下―線)、母子関係はFMとfMです(左|線)。fMの男は、近親婚を避けるためFSの女と結婚し(/線)、子は父方のfSに属します(下―線)。母子関係はFSとfSです(右|線)。FSの男は、fMの女と結婚し、子はFMに属します(上―線)。母子関係はfMとFMとです(左|線)。
FM FS
×
fM fS

2. 現代論理学
 現代論理学で反対・小反対・大小・矛盾をあらわすと下図のようになります。反対は上―線、小反対は下―線、2つの|線は大小(包含)関係、\線と/線は矛盾をあらわします。
 b(a)は「aならばbである」を、−は「でない」を、∀aは「すべてのa」を、∃aは「いくつかのa」をあらわしています。∀はAll(すべて)、∃はExist(存在する)を意味します。「いくつかのa」とは「少なくとも1つのaが存在する」ことです。
 ∀ab(a)は「すべてのaはbである」、−∀ab(a)は「すべてのaはbでない」、∃ab(a)は「いくつかのaはbである(bであるaが少なくとも1つ存在する)」、−∃ab(a)は「いくつかのaはbでない(bでないaが少なくとも1つ存在する)」をあらわします。
∀ab(a) −∀ab(a)
×
∃ab(a) −∃ab(a)
3. 四項対立の構造
〃觝Ю度
 MとSを入れ換える操作をα(アルファ)、Fとfを入れ換える操作をβ(ベータ)、αとβの操作を続けておこなう結果をγ(ガンマ: αβ=γ=βα)とします。すると、αは父子関係をあらわす横線―になり、βは母子関係をあらわす縦線|になり、γは結婚関係をあらわす斜め線\と/になります。
 たとえばFMにαを操作するとFSになり、FSにβを操作するとfSになります。FMとfSは結婚関係γです。そして、αの操作を2回するともとに戻り、αα=機吻気浪燭發靴覆ぐ嫐)になります。つまり、結婚制度をあらわすα、β、γの関係は下図右の構造になっています。
反対・小反対・矛盾
 否定する操作をα、大小関係(∀と∃)を逆にする操作をβ、αとβの操作を続けておこなう結果をγ(αβ=γ=βα)とすると、反対はα、大小はβ、矛盾はγの各操作によって生じます。そして、αの操作を2回するともとに戻り、αα=気砲覆蠅泙后H紳弌小反対・矛盾は下図右のようになり、結婚制度と同じ構造になります。

四項対立の構造

参考文献
 橋爪大三郎:はじめての構造主義,講談社現代新書.
 沢田允茂:現代論理学入門,岩波新書.


- | 中学からの作文・論文 ホーム | comments(0) | - | permalink

この記事に対するコメント

コメントする









中学からの作文・論文 プロセス
関連学習  コメント  メルマガ