中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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鉄塔の標識「送電線注意」

 2006年8月14日の朝、東京・神奈川・千葉で139万世帯に影響する大規模な停電がありました。旧江戸川にかかる送電線にクレーン船が触れ、高さ16m以上ある送電線を傷つけたのが原因でした。

 送電線の鉄塔には「送電線注意」の目立つ標識はなく、川岸に横書きの警告板が設置されていました。もし鉄塔に警告板があったなら、日々往来する船に「送電線注意」を印象づけたことでしょう。2006年5月26日の「可能性のないものを消去する」で、この警告標識を取り上げたので以下に掲載します。

1.疑問
 自転車で土手を走っていると、送電線の鉄塔に縦書きで「←送電線注意」の標識があった。自転車から見上げる位置にある高さ5m幅1m大の標識は誰に何を注意するのだろう、と不思議に思った。

  

2.仮説
 読む人を想定し、可能性の少ない人を消去したところ、工事関係者が残った。想定した人は、釣り人、凧あげ者、子供、ハング・パラグライダー者、鉄塔を登る人、土手を歩く人や車、農作業・工事関係者である。
 釣り人は違うであろう。送電線の最下部は10m以上あり、アユが遡上するこの川の幅は10mくらいだ。10mを超えるアユ竿を使う人はいない。コイを釣る人はリール竿だが、化学繊維の糸が送電線に絡む可能性と、絡んだあとの感電の可能性も少ないであろう。
 凧あげをする人の凧が送電線に絡む可能性はある。しかし絡んだ糸から感電するだろうか。凧あげは子供が多いが、注意書きは漢字なので、凧あげ者も違うであろう。
 ハンググライダー、パラグライダーをする人は、注意書きがなくても鉄塔が見えるはずだ。
 鉄塔を登ろうとする人は、注意書きがなくても大人なら危険がわかる。
 川沿いの道を歩く人や運転者への喚起は、送電線が切れた場合か、電磁波の影響が考えられる。しかし常に送電線の下にはいないので、歩行者や運転者でもない。
 農作業で、10m以上に機械が達することはありえない。工事をする人はどうだろう。

3.調査方法と結果
 標識のある鉄塔の前後2kmほどを自転車で走り、ほかの鉄塔を調べてみた。わかったことは、川岸にある鉄塔3基に限り、同じ注意標識があった。鉄塔には縦横1m大の四角い標識もあり、「電線付近での釣りには十分注意してください」と書いてあった。別の鉄塔には、「あぶない!! のぼるのはやめましょう。」と、ひらがなで書いてあった。

4.結果の解釈
 河川改修工事者への注意標識ではないだろうか。河川改修工事で杭打ち機やクレーンを使う場合、送電線への接触・切断・感電がありえそうだ。なぜなら、川の近くの鉄塔にだけ標識があった。杭打ち機やクレーンは送電線に届きそうだ。河川工事中にクレーンが転倒して、家を押しつぶした現場を見たことがある。漢字で書いてあるので大人向けだ。機械操作者がよく見える位置に標識がある。

5.再調査・結論
 株式会社関電工さんに、標識の対象者と注意内容を確認するメールを送ったところ、翌日の今日回答をいただいた。鉄塔の標識は、河川工事などで重機・クレーンの送電線接触事故を防ぐための注意喚起だった。以下に、回答を掲載するとともに、関電工のご担当者様に感謝いたします。 (2006年2月22日)


「送電線注意」の対象者と注意内容
<回  答>
(対 象 者)
送電線接近個所付近で工事を行う工事業者、並びにクレーンオペレーター。
(一般公衆を対象にしているかについては、当方では判りかねます。)
(注意内容)
 重機やクレーン等を使用する工事において、送電線にクレーンのブームやワイヤーが接近又は接触すると、重機やクレーンに大電流が流れ、感電により重大災害が発生する危険があります。これを防止するための注意喚起となります。
 特に河口近くの河川では、船にクレーン等を乗せて作業をするケースがあり、この場合河川水位の干満によりクレーンの高さが変わりますので一層の注意が必要になります。
 上記のような作業をする場合、必ず東京電力蠅療該管理個所と打合せを行い注意箇所を確認しますが、更に、現地での注意を促すために取り付けている標識だと思われます。
 なお、詳細につきましては,最寄の東京電力蠅砲尋ねいただけるとよろしいかと思います。


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