中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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構造という関係 (二項対立)

 構造という考えかたを習得することによって、見えない関係をとらえ表現することができるようになります。構造の要素が二つの場合を二項対立といいます。「対立」と呼ぶのは、要素が反対または互いに相いれない状態になっているからです。これから二項対立の事例を紹介します。

1.サイコロの構造
 サイコロの表の目aと裏の目bは、a+b=7 という構造になっています。

2.時計の構造
 時計の向かい合った2つの数字a、bは、|a−b|=6 という構造になっています。| |は大きい数字から小さい数字を引く意味です。

3.対立する言葉の構造 
 ある言葉aとその対立する言葉をb、−を対立(反対または相いれない関係)を表すものとします。すると、反意語や補色などの対立する言葉は (a=−b) で (b=−a) という構造になっています。たとえばaを「表」、bを「裏」とすると、(表=−裏)で(裏=−表) の関係が成り立ちます。またaを「量」、bを「質」としても成り立ちます。「赤」と「緑」、「黄」と「青」の補色関係も同様です。
 対立する言葉を ←→ で表すことができます。

←→
←→
←→

4.寓話の構造
 イソップの「ウサギとカメ」は対立する構造になっています。足の速いウサギは油断して休んでしまい、勝つと言っていましたが負けてしまいました。一方、足の遅いカメはたゆまぬ努力によって、言ったとおりに勝ちました。

ウサギ カメ
速い ←→ 遅い
油断の休息 ←→ 不断の努力
敗者 ←→ 勝者
有言不行 ←→ 有言実行

5.小説の構造
 ジャック・ロンドンの小説『白い牙』と『野性の呼び声』の粗筋は同じ構造です。aの反対(対立項目)を−aで表し、移行を→で表すものとすると、二つの小説は a → −a という(一方が対立する他方に移行する)構造になっています。『白い牙』では、オオカミ(野性犬:a)が人間の優しさに触れて飼い犬(−a)になるので、a→−aの関係になります。一方『野性の呼び声』では、飼い犬(a)がオオカミの呼び声によって目覚め、野性犬(−a)になるので、a→−aという関係になります。

白い牙 野性犬 → 飼い犬
野性の呼び声 飼い犬 → 野性犬

6.交通システム・寓話・理論の構造
 信号機をなくした交差点が効果をあげています。信号機をなくすことが利用者の信頼と自律によるとみなすと、イソップの「北風と太陽」や、経営学者D.マクレガーの「X−Y理論」に似ています。旅人の服を脱がせるために、北風は冷たく強制し、太陽は暖かく自発を促します。X−Y理論とは、人は本来働かないので命令によって働かせようとするX理論と、人は自ら立てた目標に向かって一生懸命に働くというY理論から成ります。

信号有 信号無 北風 太陽 X理論 Y理論
不信 ←→ 信頼 冷たい ←→ 暖かい 不信 ←→ 信頼
他律 ←→ 自律 強制 ←→ 自発 命令 ←→ 自発

参考文献
 河野与一編訳:イソップのお話,岩波少年文庫.
 ジャック・ロンドン:白い牙,新潮文庫.
 ジャック・ロンドン:野生の呼び声,新潮文庫.


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