中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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推論か実証か

 自分の考えを論証するには、推論(演繹)による方法と実証(帰納)による方法があります。社会問題について考えを述べる場合、どちらの方法が分かりやすいでしょうか。

 推論による論証よりも、実証による論証のほうが具体的で実感しやすいといえます。推論による論証は抽象的でこみ入っているのに対し、実証による論証は具体的で結論に直結しやすいからです。

 「捕鯨はやめるべきだ。」という考えを、推論と実証で論証する例を示します。ここでは「確かに捕鯨も大切だ。」といった反対の立場に考慮するレトリックは使わないことにします。

例1.推論で論証する
 推論は見えない一般的な知識を前提とするため実感しにくいといえます。また推論の法則(移行の法則など)が明示されないので、推論の展開がわかりにくいといえます。さらに、前提が正しいか、推論の方法が正しいかを見極めないと、間違った論証を受け入れてしまう可能性があります。

 捕鯨はやめるべきだ。
  クジラは人間と同じ哺乳類で、高い知能を持つ神聖な動物だ。
  神聖な動物を捕ってはいけない。


例2.実証で論証する
 実証の場合は、考えを事実で裏付けるため感覚的に直接理解することができます。

 捕鯨はやめるべきだ。
  .ジラは絶滅の可能性がある。
    クジラは減少している。
    家畜と違って再生産できない。
  ▲ジラ以外に食べ物がある。
    肉 魚 野菜


 例1よりも例2がわかりやすいといえます。なぜなら例1は見えない前提にもとづいているからです。前提の「神聖な動物を捕ってはいけない」は抽象的で実感がわきません。また「高い知能」とは何かもあいまいです。一方、例2は理由が具体的です。クジラの減少が事実ならば、数字で実証できるはずだからです。

 最近では、スーパーなどにクジラの刺身が出まわるようになりました。クジラ離れが進み、供給に余裕ができたからです。大槻義彦氏監修の『身のまわりの「科学雑学」』(三笠書房)によると、大型クジラが乱獲で減った分、小型クジラが増えているようです。


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