中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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他人の問いに答える

 20代男性の悩みに答える文章が新聞に載っていました。問いは、「懸命に働くことのむなしさと、親の財産で暮らす知人をうらやむ気持ちをどのように切り替えるか」です。

 懸命に働くことにむなしさ 親の財産で暮らす知人うらやましい
  人生案内    海原 純子(診療内科医)

 私の父は広島で2次被爆し結核を患っており、私はバイトをしながら大学を卒業したころ、世の中ってなんて不平等なのだろうと思っていました。あなたのむなしさは本当によくわかります。でも30年間、医療で様々な人と深くかかわってみると、すべてに恵まれている人は皆無。重荷を背負ったり、親に頼れなかったりする人は、重荷を背負うエネルギーやパワーという目に見えない財産を持っていることに気づきました。
 あなたもそうした才能を持っているはずです。ただしその宝物は、他人をうらやましがったり、比較したりすると消えてしまいます。周囲の人と条件を比較したりうらやんだりするのをやめ、見返してやろうという気持ちを手放したとき、心が自由になります。
 しばらくの間「あめ」をもらっている知人と接触せず、自然の中でひと休みする時間を作り、「自分のしたいこと」だけに意識を集中して下さい。そして決して死なないでください。親からあめをもらうどら息子や娘ばかりになったら世の中つまりませんからね。
                 (読売新聞 2006年8月29日朝刊)

 この文章はわかりやすく、受け入れやすいのではないでしょうか。構成を見ながら、その理由を考えてみましょう。

問い:懸命に働くことのむなしさと、親の財産で暮らす知人をうらやむ気持ちを切り替えるにはどうすればよいか。
答え:欲を捨て、したいことに集中し、死なない。

うらやんだり、比較したり、見返してやろうとしない。
 ,△覆燭郎庸修箸いξ蓮財産・宝物をもっているはずだ。
   すべてに恵まれている人は皆無だ。
     私の父は病気で、私はバイトをしていた。
     あなたのむなしさは本当によくわかる。
     30年間、医療でかかわってきた様々な人たちも。
   恵まれていない人は重荷を背負う力という財産を持つ。
 他人をうらやましがったり、比較すると宝物が消えてしまう。
 (宝物は大切にしよう)
 M澆鮗衒すと心が自由になる。
自分のしたいことだけに意識を集中する。
 自然の中でひと休みする時間を作る。
 「あめ」をもらっている知人と接触しない。
決して死なない。
 親からあめをもらうどら息子や娘ばかりになると、世の中はつまらない。

 この文章は、相手の気持ちに配慮し、問いに具体的に答えています。また、前提を証明して論をたとえで展開し、背理法的に説いています。
1.好感を得る
 自分の意見に一致していると、相手を好きになる傾向があります。「私」も同じように恵まれていなかったこと、「あなた」の気持ちがよくわかること、が書かれています。さらに、医療でかかわってきた様々な人たちもそうであることがわかります。

2.三つの方法を具体的に回答する
 ,Δ蕕笋鵑世蝓比較したり、見返してやろうとしない⊆分のしたいことだけに集中する、7茲靴道爐覆覆ぁ△鯏えています。

3.前提を証明し論を進める
 「すべてに恵まれている人は皆無だ」を、恵まれていない人(私、あなた、様々な人)の例をあげて証明しています。この「恵まれている人はいない」を前提に、「恵まれていない人は重荷を背負う力という財産を持つ」へと展開しています。

4.宝物にたとえて説く
 恵まれていない人が重荷を背負う力(エネルギーやパワー)を、才能や財産や宝物に見立てています。そして大切な宝物を失わないようにしようと述べています。

5.背理法的ユーモアで説く
 もし、あなたがいなくなって、あめをもらう人だけになったら、世の中はつまらない。だから、あなたは世の中に大切な人ですよ、と説いています。
  いろいろな人がいる社会―活力がある―適切
  あめをもらう人ばかりの社会―つまらない―不適切


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