因果関係の推理
因果関係を立証することは、なぜ難しいのでしょうか。因果関係は仮説とみなすことができます。因果関係は複数の原因や原因の候補が関係しているので、関係を特定したり、すべての場合について関係が成り立つことを実証するのは難しいからです。
因果関係の仮説は、次のように不確かな傾向があます。
・すべての場合が実証されていない。
「アガリクス茸を食べると、ガンに効く」
・例外を含む。 「飲酒運転をすると、職を解かれる」
・統計にもとづく場合がある。
「月にカサがかかると、翌日か翌々日に雨が降る」(70%前後)
・関係する原因がもれている。
「(運動しないで)たくさん食べると、太る」
不確かな仮説を前提にすると、後件否定による結論は「可能性がある」という推理になります。仮説 a→b から、「bでない原因は、aでないからだ」と断定してはいけません。
前提(仮説) :a→b (あやしい)
推論(後件否定):−b→−a (あやしい)
結論(推理) :−b→−a 可能性がある。
次の例1から例3は、後件否定によって因果関係を誤って断定しています。仮説からの結論を「可能性がある」とすることによって、原因断定の誤りを防ぐことができます。
例1:目がかゆくなる原因
「春になると、目がかゆくなる」
→「目がかゆくならないのは、春になっていないからだ」

例2:病気の原因
「焼却場から煙が飛ばなければ、病気が少ない」
→「病気が多いのは、焼却場から煙が飛ぶからだ」

例3:部屋が快適でない原因
「清潔ならば、快適だ」
→「快適でないならば、清潔でない」

例1の場合、「春になると、目がかゆくなる」が統計で確認されているので、後件否定によって「目がかゆくならないのは、春になっていないからだ」と考えています。しかし、「花粉が飛ぶので、目がかゆくなる」が本来の因果関係です。
例2の場合、a→b の後件否定による住民の主張「病気が多いのは、焼却場から煙が飛ぶためだ」に対し、「統計から、病気が多いのは、高齢者だからです」と反論される可能性があります。
例3の場合、「清潔ならば、快適だ」の後件否定により「快適でないならば、清潔でない」となり、快適でない原因を「清潔でない」と断定しています。しかし実際には、「清潔であっても、明るくなければ、快適でない」可能性があります。つまり実際の因果関係は、「清潔で、明るくて、・・・ ならば、快適だ」であり、後件否定は「快適でないのは、清潔でないか、明るくないか、・・・ だ」になります。
仮説:a→b 後件否定:−b→−a(誤り)
実際:aでcで・・・ →b 後件否定:−b→−aか−cか・・・
因果関係の仮説は、次のように不確かな傾向があます。
・すべての場合が実証されていない。
「アガリクス茸を食べると、ガンに効く」
・例外を含む。 「飲酒運転をすると、職を解かれる」
・統計にもとづく場合がある。
「月にカサがかかると、翌日か翌々日に雨が降る」(70%前後)
・関係する原因がもれている。
「(運動しないで)たくさん食べると、太る」
不確かな仮説を前提にすると、後件否定による結論は「可能性がある」という推理になります。仮説 a→b から、「bでない原因は、aでないからだ」と断定してはいけません。
前提(仮説) :a→b (あやしい)
推論(後件否定):−b→−a (あやしい)
結論(推理) :−b→−a 可能性がある。
次の例1から例3は、後件否定によって因果関係を誤って断定しています。仮説からの結論を「可能性がある」とすることによって、原因断定の誤りを防ぐことができます。
例1:目がかゆくなる原因
「春になると、目がかゆくなる」
→「目がかゆくならないのは、春になっていないからだ」

例2:病気の原因
「焼却場から煙が飛ばなければ、病気が少ない」
→「病気が多いのは、焼却場から煙が飛ぶからだ」

例3:部屋が快適でない原因
「清潔ならば、快適だ」
→「快適でないならば、清潔でない」

例1の場合、「春になると、目がかゆくなる」が統計で確認されているので、後件否定によって「目がかゆくならないのは、春になっていないからだ」と考えています。しかし、「花粉が飛ぶので、目がかゆくなる」が本来の因果関係です。
例2の場合、a→b の後件否定による住民の主張「病気が多いのは、焼却場から煙が飛ぶためだ」に対し、「統計から、病気が多いのは、高齢者だからです」と反論される可能性があります。
例3の場合、「清潔ならば、快適だ」の後件否定により「快適でないならば、清潔でない」となり、快適でない原因を「清潔でない」と断定しています。しかし実際には、「清潔であっても、明るくなければ、快適でない」可能性があります。つまり実際の因果関係は、「清潔で、明るくて、・・・ ならば、快適だ」であり、後件否定は「快適でないのは、清潔でないか、明るくないか、・・・ だ」になります。
仮説:a→b 後件否定:−b→−a(誤り)
実際:aでcで・・・ →b 後件否定:−b→−aか−cか・・・
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