中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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現象と模型 その2

 カゲロウという虫を観察し、カゲロウの模型である毛バリを作ってみましょう。毛バリ作りは、観察、還元、関係化、組立、検証、改良というモデル化のプロセスにもとづきます。

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 渓流魚の餌であるカゲロウをモデル化し、渓流魚がカゲロウと見まちがえる毛バリを作る。

現象の観察
 カゲロウは水面から羽化して飛びたつ。空中を羽を動かしゆっくりと上下しながら飛ぶ。水面に降りて浮いたまま流される。
 流れてくるカゲロウを、待ち受けていたヤマメは大きく口をあけてくわえる。飛び立とうとするカゲロウや、水面に落ちたカゲロウを水面下から素早くくわえる。ときには空中のカゲロウを、水面から飛び出してくわえる。

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 カゲロウの頭には触覚・目・口があり、胸・腹からなる胴には羽・足・尾がついている。透明で光沢のある羽には筋があり、羽は胴の長さくらいある。

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 ヤマメは大局的にカゲロウを認識をしているようだ。さざ波があったり光の屈折が起きる水面というベールを透して、ヤマメは瞬時にカゲロウと判断し捕食する。一番大きな部分は羽で、頭から腹までの部分が次に大きい。
 羽の透明な部分は空中や水と同化するので羽の筋が強調されるようだ。短い触覚と目・口は頭に、頭・胸・腹・尾は胴として一つに還元してよさそうだ。足は羽の筋と似ているので、これらを羽(翅:はね)の筋(脈)である翅脈(しみゃく)に含めることにする。
 するとカゲロウは、光沢のある翅脈と胴に還元することができる。これを翅脈仮説と呼ぶことにする。

要素 還元
羽(筋、透明部分)、足 翅脈
頭(触覚、目、口)、胸、腹、尾

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 翅脈仮説からカゲロウの模型を作成する。釣バリに糸を巻くことによって胴ができる。胴に鳥の羽根を巻くことで翅脈ができ、毛バリができあがる。

モデルの検証
 竿先に糸を付け、糸の先に毛バリをつけて、ヤマメが誤認するかを実際に確かめる。

モデルの改良
 巻いた羽根の量が多かったり、羽根の長さが短かったりすると、ヤマメは毛バリがニセモノであることに気づいてくわえない。そこで毛バリを改良する。

 翅脈仮説は医学博士の杉本英樹氏によって1960年代に「翅脈論」として発表され、日本の伝統的な毛バリの原理が明らかになりました(杉本英樹ほか『渓流の釣り』 つり人社)。
 北海道の礼文島から九州の屋久島まで日本各地の渓流で、翅脈と胴からなる毛バリにマス類が盛んに飛びつくことが確認されています。また、台湾・モンゴル・ニュージーランドなど外国の川でも、翅脈論にもとづく和式毛バリの有効性が実証されています。


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