中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
<< August 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 文章の書き出し その2 | 最新へ | イメージの可視化 >>

文章の書き出し その3

 小見出しと見出しは同じにならないようにする。なぜなら、ほかの小見出しを、見出しの中に含めることができなくなるからだ。文章を構成する第一段落の書き出しも、表題と同じではいけないのだろうか。夏目漱石の『我輩は猫である』は、「我輩は猫である。」で始まるが

 『私の文章修業』(朝日選書)をもとに、51編の文章について、表題と書き出しの重複を調べた。

 結果は、86%の文章が、表題と書き出しのことばが異なっていた(表1‐ 法これは、身近な体験、意外性、関連する話題などから、本文に誘導する文章が90%あることと符合する(書き出しの分類)。

 一方表題のことばが書き出しで使われていたのは7編あり(表2)、全体の14%だった(◆法

 表1:表題と書き出しと答えの関係
表題≠書き出し 表題=書き出し
書き出し≠答え 43(84%) 3(6%) 46(90%)
書き出し=答え 1(2%) 4(8%) 5(10%)
44(86%) 7(14%) 51(100%)

 問いに答える書き出しは、表題のことばを使う割合が高くなっている。「問いの答えを示す」書き出し5編のうち()、表題のことばが書き出しで使われているのは4編である(ぁ法「映像は頭の壁に書く」「音と言葉は別物?」「骨だけの文章」「相撲と批評」(表2)。頭括型の場合、表題と同じことばを書き出しで使うことにより、主題・表題・書き出しのつながりができ、論証へと展開しやすいからであろう。

 問いに答え、表題と異なる書き出しが1編あった(ァ法作家・丸谷才一氏の「文体を夢見る」である。『私の文章修業』の最初に掲載され、「『何を書くか』と『いかに書くか』とは切っても切れない関係がある。」で始まる。書き出しで「何を書くか」が述べられ、「いかに書くか」へと続く文章である。

 表2:表題のことばが使われている書き出し(7編)
表題 書き出し 著者
 映像は頭の壁に書く  まずうかぶのは映像である。 新藤兼人
 音と言葉は別物?  何でもいいから、どんどん言葉をつなげていくと文章になる。 山下洋輔
 骨だけの文章  文章でも何でも最初は誰かのを真似ることからはじめるしかない。 倉橋由美子
 相撲と批評  文章修業といわれても、私が多少とも意識的集中的にやった覚えのあるのは、相撲をみて、その勝負の経過をなるべくくわしく、正確に記述する練習をしたものぐらいだ。 吉田秀和
 おくてのたのしみ 私は万事、おくてなのである。 堀 淳一
 音楽と文字  八つの時にピアノを習い始めてから、僕のエネルギーと時間の大部分は音楽の修業に消費されて来た。 団伊球磨
「文章」の奥にあるもの  長年のあいだ文章を書いてきているのならば、いわゆる「手がきまる」というかたちになって、それほどの苦労なく文章が書ける、と小説家についてそう考えている人が多いようだ。 吉行淳之介


参考文献
1.週刊朝日編:私の文章修業、朝日選書
2.轡田隆史:うまいといわれる文章の技術、三笠書房



- | 中学からの作文・論文 ホーム | comments(0) | - | permalink

この記事に対するコメント

コメントする









中学からの作文・論文 プロセス
関連学習  コメント  メルマガ