中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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問題解決3−目的設定

 問題分析によって、クマ出没問題の因果関係を図に表しました。この分析過程で、新しい発見をする可能性があります。たとえば、「クマの生息密度が低下すると、生息地域が拡大する」関係(文献1)や、「クマが里の周辺で暮らす」事実(文献2)は、一般にはあまり知られていないことです。

現状調査 問題分析 目的設定 手段検討 計画立案
発見 発見・考案

 問題の構造を川にたとえると、源流・本流・支流・合流点があります。源流がおおもとの原因です(植林・治山・林道工事をする)。支流も原因の一つです(不作年・台風と重なるなど)。支流は本流と合流します(里の近くで暮らすなど)。そうして本流は、大きな問題になります(里に出没する)。

       植林・治山・林道工事をする
             ↓
          自然の森や川が減る
              ↓
       食糧が得にくくなる ← 不作年・台風と重なる
             ↓
         生息密度が低下する
              ↓
里山や農地を放置 食糧を求め生息地域を拡大する
    ↓       ↓
 茂みができる → 里の近くで暮らす ← 柿・ゴミ・畑がある
            ↓
          里に出没する


3.目的設定
 問題を解決する着眼点は源流や合流点です。なぜなら、源流は問題の根本原因です。合流点は上流と支流の結果であり、扇の要(かなめ)のようなところです。そして上流の泥水を防ぐと、下流が濁らなくなるように、上流を解決すると下流が解決します。

 ところが源流は、制度・組織・費用・時間などの制約があり、容易に解決できないことが多いものです。このことは、長良川河口堰、諫早湾干拓、川辺川ダム建設の事例が示しています。

 ここでは、「クマが里の近くで暮らす」を解決の着眼点にします。解決手段を考えるにあたり、着眼点を手段表現「クマが里の近くで暮らさないようにする」とします。そして「それ(その手段)は何のため?」と問いながら、目的を上方に展開します。

       クマを未来に残す       目的
          ↑
     絶滅させないようにする    手段/目的
          ↑
  死傷者が出て駆除されないようにする 手段/目的
          ↑
     人を襲わないようにする     手段/目的
          ↑
     里に出没しないようにする    手段/目的
          ↑
  クマが里の近くで暮らさないようにする 手段

 目的と手段は相対的であり、表裏一体の関係です。上方から見るとそれは手段であっても、手段の下方から見るとそれは目的です。たとえば「里に出没しないようにする」目的は、「人を襲わないようにする」ことです。一方、「里に出没しないようにする」手段には、「クマが里の近くで暮らさないようにする」があります。

参考文献
1.金井塚 務:広島・細見谷渓畔林のツキノワグマ、自然保護11・12 No.494
2.米田一彦:山でクマに会う方法、山と渓谷社

 次回に続く


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