中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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日本はハワイより美しいか

 NHKのクローズアップ現代で、小学生を対象にした愛国心を育てる授業の様子が放映されていました。授業のなかで、 ハワイから日本に来た子供が、「日本は四季があり美しい国だ」と感想をのべたことを、先生は生徒に説明します。生徒の多くは、日本は美しい国であることがわかった、と感想をのべます。女子生徒が立ち上がり、四季のないハワイは美しくないのですかと指摘します。先生は「日本には四季があり・・・美しい」をくり返していました。

 「世界で一番美しい国」といわれるニュージーランドの山歩きをしたことがあります。南島にあるルートバーントラックという日焼け道です。鱒の波紋が広がる湖畔の小屋で一夜を過ごし、晴れわたった朝、峡谷に沿った山腹の平坦な道を歩くと、対岸には雪をいただく連山、眼下にはきらめく川の帯が続いています。たしかに美しいと思いました。しかし、北アルプス(飛騨山脈)のほうが、地形に変化があり、動植物はもっと豊かです。

 美しい、すばらしい、優れている、とはどのようなことでしょうか。

 文化人類学者のレヴィ=ストロースは、未開といわれる部族の文化を研究し、親族(親戚のような関係者)や神話や生活習慣などの「構造」を明らかにしました。

 欧米の世界は文化発展の頂点にあり、未開民族を最下位に位置づける文化進化主義が現在も根強く残っています。欧米の文化は優秀で未開民族の文化は劣っているという考え方は、アメリカの文化は日本の文化に優り、標準語は方言に優り、都会の生活は地方の生活に優るといった見方にも通じます。

 日本の風景はハワイの風景よりも優れているのでしょうか。これは伝統文化についてもいえます。

 文化進化主義に対し、レヴィ=ストロースは相手の文化の内部に入り込み、相手の文化の視点で眺める文化人類学の手法を通して、「ある文化が他の文化より優れていると判断する絶対的な基準はありえない」「文化に優劣はない」という文化相対主義を提唱しました。参考までに、簡単な比較表を示します。

    文化進化主義     「未開人」の文化例
 優劣: 欧米人>未開人
 一神教
 自然との対立
 選択
 単一性:目標・効率・順位
 尊重: 世界>命>人間>自分
 多神教
 自然との調和
 共生
 多様性:種差

 「未開人」の文化から、「日本も美しいし、ハワイも美しい」ことを学ぶことができます。


参考文献
吉田禎吾・石橋作美・浜本 満:レヴィ=ストロース、清水書院 


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