中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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どこまで論証するか

 「なぜ」に答えることで論文が書けます。しかし、なぜだろうという疑問は続く可能性があります。では、どこまで答えればよいでしょうか。

 夕焼けを例に考えてみましょう。「明日は晴れるでしょうか?」の答え「明日は晴れると思います」について、問答が続いています。



 主張と理由を表してみましょう。主張「夕焼けが見えると、翌日は晴れやすい」を、移行の法則「夕焼けが見える→西の空には雲はない→天気は一般に西から東に移る」によってを論証しています。

 夕焼けが見えると、翌日は晴れやすい
  夕焼けが見える
  西の空には雲はない
  天気は一般に西から東に移る

 ところが、「夕焼けが見える→西の空には雲はない」の理由を、「翌日にかけて光をさえぎる雲がない」と「赤や黄色の太陽光線が見える」によって組み立てたとしても、疑問は続きます。

 夕焼けが見えると、翌日は晴れやすい
  夕焼けが見える
   翌日にかけて光をさえぎる雲がない
   赤や黄色の太陽光線が見える
    レイリー散乱による
     光の波長が短いほど散乱が大きい
      散乱係数=関数(1/波長4
      短い波長の紫・青は空気中で散乱する
      長い波長の黄色・赤は届いて見える
  西の空には雲はない
  天気は一般に西から東に移る

 一般知識となっている詳しい理由は、簡単に説明するか、参考文献を示し自明にしましょう。理由をどこまでも述べてもきりがないからです。「赤や黄色の太陽光線が見える」理由は、「レイリー散乱による」で終結させます。詳細化すると、散乱理論など物理学の説明になってしまうからです。そこで、つぎのような文章を書くことができます。

 夕焼けが見えると、翌日は晴れやすい。夕焼けが見えるのは、翌日にかけて光をさえぎる雲がなく、レイリー散乱によって赤や黄色の太陽光線が見えるからだ。西の空に雲がなく、天気は一般に西から東に移るので、「夕焼けは晴れ」になりやすい。
 レイリー拡散は気体中の散乱現象である。散乱係数=関数(1/波長4)という関係があり、光の波長が短いほど散乱が大きい。紫・青は波長が短いので空気中で散乱し、黄色・赤は波長が長いので届いて見える〔1〕。

 一つ目の段落にある「レイリー散乱」の参考文献を示し、二つ目の段落を省略することもできます。なお、「夕焼けは晴れ」ということわざは、春と秋にはその傾向がありますが、夏にはあまりあたらないようです。夏の日本は、小笠原高気圧におおわれ、上空の西風がなくなるからです〔2〕。


参考文献
〔1〕ウキペディア フリー百科事典「レイリー散乱」、2006年11月24日現在
〔2〕倉嶋 厚・鈴木正一郎:自然観察シリーズ 雲、小学館


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