中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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概念の「概」

 春のことです。植木屋さんが大学のケヤキ並木を見て、こんなことを言いました。木の高さや太さ、枝の広がりが同じなのに、若葉が出ている木とそうでない木があるのは不思議だと。植木屋さんの集まりでも話題になったそうです。はたして、不思議なことでしょうか。

 同じと考えると疑問がわき、違うと考えると納得できます。ケヤキの木はみんな同じと考えると、葉がいっせいに出ないのはなぜだろう、ということになります。しかし、似ているようでも少しずつ違っていると考えると、葉の出かたを受け入れることができます。もし、ケヤキという種に差がなければ、すべての木が嵐で葉を飛ばされてしまうかもしれません。また、日照りでいっせいに枯れてしまうかもしれません。

 魚についても同じことがいえます。魚の養殖とは家畜化して育てることです。たとえばニジマスの養殖は、本来テリトリーを持つニジマスの中から、池の中で群れる同じ大きさのものを選別して育てます。それを川に放すと、群れているので釣られやすく、自然産卵もほとんど行われないため、いなくなってしまいます。

 植木屋さんが見たケヤキや、養殖ニジマスは、「概念」によって理解することができます。概念の「概」は、枡(ます)に穀物を入れるときに、盛り上がった個々の部分を平らに均(なら)す棒です。「念」は考えなので、概念は、凸凹がある個々の事物の性質を均し、共通する性質を取り出して構成した考えです。共通部分に着目したのが植木屋さんの見方であり、養殖魚の考え方といえます。



 実際はどうでしょうか。ケヤキという概念に含まれるケヤキ1、ケヤキ2、・・・は、箒(ほうき)を逆さにしたような形をしています。しかし、個々のケヤキは葉が早く出たり、遅く出たりする性質も持ち合わせています。このような違いは、ケヤキを構成し存続させるうえで不可欠なものといえましょう。ケヤキをヒトに置き換えても同じことがいえます。


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