中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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日本における論文の構成

 新聞記事や欧米の文書作成技術(テクニカルライティング)は、頭括型が一般的である。一方、日本の論文構成はどうであろうか。卒業論文や専門誌などの科学論文を中心に、論文の入門書と実際の論文を調べてみた。その結果、8割が尾括型となっていることがわかった。

 調査方法は、論文に関して異なる分野の資料16をもとに、見出し項目を調べた。論文の書き方の解説書4、論文の書き方のサイト6、論文が掲載されている雑誌・論文集5、特許明細書1である。分野は、歴史学・「理科系」・生物学・教育学・経済学・医学・情報処理・特許にわたる。

 その結果、表現は異なるが論文の構成はおおむね、導入・方法・結果・解釈・結論の尾括型になっていた(表)。しかし、新聞、専門誌における外国の論文、特許明細書は、このような型になっていなかった。論文の解説書が示す構成は、序(序論、序言、序文)、方法、結果、考察(論議、解釈)、結論となっていた。ウェブサイトでは、序論、本論(方法、結果、考察)、結論の型になっていた。論文掲載誌では、外国の論文が9割を占める『別冊日経サイエンス』、導入部のあとは自由な構成になっていた。ほかの専門誌は、はじめに(目的、緒言)、方法(実験方法、システム、モデル)、結果(実施・実行例)、考察(評価、考按)、まとめ(おわりに、結論)となっていた。特許明細書は、発明、課題、解決手段、実施例などから構成されていた。

 方法・結果・解釈・結論の構成が多い理由を考えてみた。調査した科学論文に関する構成は、仮説実証の思考過程に合っている。また、論文の見出し項目が決まっていると、それに従う。たとえば『日本眼科學會雑誌』の見出しは、緒言・実験方法・結果・考按となっている。さらに、論文の先頭に抄録(要約、アブストラクト)をつける場合、その中で結論を述べることもできるからである。

 表:論文構成の調査結果
参考文献 論文構成
論文の書き方の本 論文のレトリック 自然科学
     人文・社会科学
理科系の作文技術 論文
          技術報告
            
新聞
理科系の論文作法


生物学の考える技術 
序 実験方法 結果  評議・論議 結論
序 (方法)  事実  評議・論議 結論
序論 実験方法  結果   論議    
序言 結果のまとめと勧告
リード 本文
序文 研究方法  結果   議論  結論
 実験方法 理論解析法  結果の解釈
 数値計算法 調査法 他研究との比較
序論  方法  結果  考察 (結論)
論文作成に役立つリンク集 これから論文を書く若者のために 東北大 酒井聡樹
論文の書き方
 兵庫教育大 成田 滋
論文の書き方
 埼玉大経済学 並河 永
論文・レポートの書き方心得
創価大経済 長谷部秀孝
演習論文の書き方
   中央大経済学部
論文レポートの書き方
    筑波大 宮本陽一郎
イントロ  方法  結果  考察(結論)

序論 方法 結果と考察 結論とまとめ
(問題の所在 目的)
動機意義 学説史・基礎知識 分析 結論
                (仮説検証)
序論    本論      結論
問題提起  問題分析・論証 
序論  本論(論理展開図) 結論
(問題の所在 限定 導入部)
序論    本論      結論
論文掲載誌 別冊日経サイエンス
情報処理学会研究報告

オペレーションズ・リサーチ
シミュレーション&ゲーミング

日本眼科學會雑誌
導入部  段落群1  段落群2 ・・・
はじめに システム 適用  考察 まとめ
目的 方法・実験 結果 評価 おわりに
はじめに モデル 実施例 考察 まとめ
はじめに モデル 評価 考察 まとめ
      実験方法 実行例  結論
緒言   実験方法  結果  考按
特許 特許出願のてびき
(特許明細書)
発明 分野 従来 解決手段 効果
        課題  作用 実施例  


参考文献
1.澤田昭夫:論文のレトリック、講談社学術文庫
2.木下是雄:理科系の作文技術、中公新書
3.高木隆司:理科系の論文作法、丸善ライブラリー
4.松井 剛:論文作成に役立つリンク集、2006年12月4日現在
5.クリス・バーナードほか、近藤 修訳:生物学の考える技術,講談社ブルーバックス
6.別冊日経サイエンス132 ゲノム科学がひらく医療、日本経済新聞社
7.情報処理学会研究報告 Vol1.2000 No.95、情報処理学会
8.オペレーションズ・リサーチ Vol.40 No2 、日本オペレーションズ・リサーチ学会
9.シミュレーション&ゲーミングvol.6 No.1、日本シミュレーション&ゲーミング学会
10.日本眼科學會雑誌 103巻 10号、日本眼科学会
11.特許庁編:特許出願のてびき、発明協会



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