中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
<< August 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 論文作成1−問いを立てる | 最新へ | 論文作成3−論理を構成する >>

論文作成2−本質化する

 芭蕉の句「しづかさや 岩にしみ入るせみの声」から、「このセミは何ゼミか?」という問いを立てました。問いの答えを見つけるために、これから本質化をしましょう。

問 い 本質化 論理構成 配置決め 文章化

 本質化とは、不可欠で基本的で重要な性質・要素・関係を明らかにすることです。答えを得るために、セミの性質・要素・関係を考えることにします。セミにはどのような性質があるでしょうか。どんなセミがいるでしょうか。俳句と実際のセミの関係はどのようになっているでしょうか。

1.性質
 セミは鳴きます。セミによって声がちがいます。

2.要素
 セミの仲間(要素)には、クマゼミ・ハルゼミ・ツクツクボウシ・クサゼミ・クロイワゼミ・チッチゼミ・アブラゼミ・ミンミンゼミ・ニイニイゼミ・ヒグラシ・エゾゼミがいます。

3.関係
 この句が詠まれた場所、日付、「岩にしみ入るせみの声」と、各セミの分布域、活動時期、鳴き声の関係(共通・相違)はどのようになっているでしょうか。
 場所は、山形市の山寺(立石寺)です。日付は元禄2年5月27日、西暦では1689年7月13日になります。

 11種類のセミのうち、生息域・発生時期が俳句と異なるセミは次の5種類です。
   クマゼミ(関東〜九州、8月初旬〜8月下旬)
   ハルゼミ(北関東〜九州、3月下旬〜6月中旬)
   ツクツクボウシ(8月初旬〜9月下旬)
   クサゼミ(沖縄)
   クロイワゼミ(沖縄)

 残った6種類の鳴き声には次のような特徴があります。
   チッチゼミ(チッチッチッチッ・・・) セミとは思えない鳴き声。
   アブラゼミ(ジー、ジリジリ・・・) 大きくうるさい。
   ミンミンゼミ(ミーン、ミンミンミンミーーー) 大きく力強くうるさい。
   ニイニイゼミ(チィーチィー)
   ヒグラシ(カナカナカナカナ)
   エゾゼミ(ギーー)

 「せみの声」は、ニイニイゼミ・ヒグラシ・エゾゼミの可能性があります。チッチゼミはセミとは思えない鳴き声です。また、アブラゼミ・ミンミンゼミは静寂な山寺の「岩にしみ入る」ような鳴き声ではなく、岩に反響するような強烈な鳴き声です。

 ニイニイゼミ・ヒグラシ・エゾゼミにおいて、7月13日の可能性はニイニイゼミ、ヒグラシの順に高く、エゾゼミの可能性は低いといえます。なぜなら、セミの発生数が最大になる時期を活動時期の中間と仮定すると、ニイニイゼミの最大発生時期は7月中旬、ヒグラシは7月下旬になります。一方、エゾゼミの発生は7月中旬以降だからです。

  

 立石寺で7月13日に、ニイニイゼミが鳴いているのが確認されました。

 

参考文献
1.和暦⇔西暦変換辞書(β版) (2007年1月31日参照)
2.友国雅章総合監修:ニューワイド 学研の図鑑 昆虫、学習研究社
3.セミの家 日本のセミの図鑑/分類 (2007年1月31日参照)


 次回に続く

- | 中学からの作文・論文 ホーム | comments(0) | - | permalink

この記事に対するコメント

コメントする









中学からの作文・論文 プロセス
関連学習  コメント  メルマガ