中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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論文作成5−文章にする

 物理構造を頭括型で文章にしてみましょう。頭括型は論文全体の初めに結論があります。また頭括型は段落の初めに総論や結論があります。論文の形式にするために、必要な表題、見出し、参考文献を付け加えます。

問 い 本質化 論理構成 配置決め 文章化


 「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」は何ゼミか

 『奥の細道』で芭蕉が詠んだ「閑(しず)かさや岩にしみ入る蝉の声」の蝉は、何ゼミか謎とされていた。この蝉を本稿で特定する。
 芭蕉の句の蝉は、ニイニイゼミであると考える。なぜならばこの句は、山形市の立石寺〔1〕で7月13日に詠まれた。セミの生息域・発生時期・鳴き声からニイニイゼミ、ヒグラシの順に可能性が高く、7月13日に立石寺で、ニイニイゼミが鳴いているのが確認されたからである。

立石寺で7月13日に詠まれた
 『奥の細道』によると、芭蕉の句は山形市山寺にある立石寺で、元禄2年5月27日に詠まれた〔2〕。旧暦を新暦に変換すると、1689年7月13日になる〔3〕。

ニイニイゼミ、ヒグラシの順に可能性が高い
 日本にはよく知られている次のようなセミがいる〔4〕。
  クマゼミ、ハルゼミ、ツクツクボウシ、クサゼミ、
  クロイワゼミ、チッチゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、
  ニイニイゼミ、ヒグラシ、エゾゼミ
 このうち、次の5種類のセミは生息域・発生時期が俳句と異なる。
  クマゼミ(関東〜九州、8月初旬〜8月下旬)
  ハルゼミ(北関東〜九州、3月下旬〜6月中旬)
  ツクツクボウシ(8月初旬〜9月下旬)
  クサゼミ(沖縄)
  クロイワゼミ(沖縄)
 生息域・発生時期が俳句と同じような6種類のセミの鳴き声を示す〔5〕。チッチゼミはセミとは思えない鳴き声で、アブラゼミとミンミンゼミは「岩にしみ入る」よりも岩に反響するような強烈な鳴き声である。
  チッチゼミ(チッチッチッチッ・・・)セミとは思えない鳴き声。
  アブラゼミ(ジー、ジリジリ・・・)大きくうるさい。
  ミンミンゼミ(ミーン、ミンミンミンミー)大きく力強くうるさい。
  ニイニイゼミ(チィーチィー)
  ヒグラシ(カナカナカナカナ)
  エゾゼミ(ギーー)
 7月13日に鳴く可能性はニイニイゼミ、ヒグラシの順に高く、エゾゼミの可能性は低い。なぜならば、セミの発生数が最大になる時期を発生時期の中間とすると、ニイニイゼミは6月下旬〜8月中旬に発生し、7月中旬に発生が最大になる。ヒグラシは6月下旬〜8月下旬に発生し、7月下旬に発生が最大になる。一方エゾゼミは7月中旬〜8月下旬に発生するので、7月13日に発生する可能性は低い(図1)。

 
           図1:ニイニイゼミ・ヒグラシ・エゾゼミの発生時期

実際にニイニイゼミが鳴いていた
 7月13日に立石寺で、ニイニイゼミが鳴いているのが確認された。

参考文献
〔1〕山形県の芭蕉 (2007年2月2日参照)
〔2〕日栄社編集所:要説 奥の細道、日栄社
〔3〕和暦⇔西暦変換辞書(β版) (2007年2月2日参照)
〔4〕友国雅章総合監修:ニューワイド 学研の図鑑 昆虫、学習研究社
〔5〕セミの家 日本のセミの図鑑/分類 (2007年2月2日参照)


 説明用に本稿を作成しました。日本のセミは30余種いることが知られています〔5〕。芭蕉の句の蝉が何ゼミかについて斎藤茂吉のアブラゼミ説と小宮豊隆のニイニイゼミ説があり、「岩にしみ入る」と感じるためにはニイニイゼミがふさわしいといわれています〔2〕。またセミの発生時期から、ニイニイゼミであろうとされています〔5〕。
 この句は推敲の結果、「閑かさや」になりました。最初は、「山寺や 石にしみつく 蝉の声」と詠まれました。その後、「さびしさや 岩にしみこむ 蝉の声」に修正され、さらに「閑かさや岩にしみ入る 蝉の声」になりました〔1〕。3句ともに岩に反響するような蝉の声でないことがわかります。



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