中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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偶然からの推理 1

 偶然とは不思議なものです。1992年の1月4日に、山梨県の不老山に登ったときのことです。頂上に立て札があり、この山の由来が書かれていました。

    不老山

  今から二千二百年の昔中国は秦
  の始皇帝の御代に、皇帝より
  の命を受けた徐福なる
  男は蓬莱山に不老長寿の
  薬草を求めて旅立った。
  難破のあげく三保から上がり
  富士を訪れ薬草を探して
  付近をさまよったという。
  徐福はかなり広範囲に歩いたので、
  この山にも来たであろう。不老山及び
  不老部落の地名もこんな由来かもしれない。

 正月休みが終わり、『徐福伝説考』という本を、図書館で偶然見つけました〔1〕。この本には、徐福伝説が日本に広まった経緯が書かれています。
―福は実在した。1981年に中国で徐福村が発見されたことによる。
⊇福は日本に来ていないであろう。日本各地に徐福伝説があるのは、中国の書物や詩が日本に影響をあたえたからだ。
 釈義楚『義楚六帖』、李白「古風」、白楽天「海漫漫」
F本各地に徐福伝説を広めたのは山伏(修験者)である。
 徐福渡来伝説の主要分布地:山梨県、神奈川県、和歌山県、佐賀県ほか

 山伏といえば権現です。不老山(839m)の北西2.7kmにある権現山(1311m)を思い出しました。二つの山は、国土地理院5万分の1地図「上野原」(山梨県ほか)にのっています。また、「秦野」(神奈川県ほか)にも不老山(928m)があり、その北北東2.7kmに権現山(1018m)があることに気がつきました。さらに、その権現山から北北東の延長線上4.7km地点にも権現山(1051m)が見つかりました。

 

 そこで、平凡社の『大百科事典』で徐福を調べてみました。「秦の始皇帝に取り入り (中略) 三神山(蓬莱、方丈、瀛州エイシュウ)に仙人や不死の仙薬を求める探検に巨額の援助を受ける。 (中略) 徐福は日本の熊野に来たのだという伝説のほか、 (中略) 彼が神武天皇で、日本に入って国を立てたのだとする説などがあるが、いずれも実証を欠く」と書かれています。

 徐福と山伏・熊野権現が結びつきました。不老不死の薬を求める徐福伝説が日本に伝わり、山伏がその伝説を広めたので、「不老山の近くには権現山がある」と考えることができます。

 ほかにも関連する地名や山名が残っています。上野原の地図で、山中湖と道志川源流をむすぶ峠を山伏峠といい、ここには黒褐色をした薬草の湯がありました。琵琶湖の西には蓬莱山があり、蓬莱山(1174m)の南西2.3kmに権現山(996m)があります。


参考文献
1.逵(ツジ)志保:徐福伝説考、富士通


 つづく

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