中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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「僕」から「私」へ

 「旅を楽しむなら各駅停車でゴー」という文章が新聞にのっていました〔1〕。歯切れがよく、一方の良さを認めながら、自分の考えを強調しています。文中の「僕」は、「私」のほうが適切です。

 旅を楽しむなら各駅停車でゴー
                                  上野 捷
 新幹線や特急電車などを利用すると、遠くの目的地にも早く着くことができる。一方で、景色などをゆっくり楽しむことができず、旅の楽しみが少ないように思う。
 先日、あるテレビ番組で、どこかに行くときには必ず各駅停車の電車を利用する、という人が紹介されていた。僕もそうである。
 各駅停車に乗ると、目的地に着くまでの時間はとてもかかる。だが、ゆっくり景色を見ることができる。電車に揺られているうちに、ウトウトして眠くなるのがたまらない。ガタンゴトンという電車の進む音が子守歌のようで、それもまた眠気を誘う。
 新幹線や特急電車を利用してばかりいると、各駅停車の電車の良さを忘れてしまうような気がする。しかし、各駅停車の電車の旅には小さな出会いや、旅の本当の楽しさが隠れているのではないだろうか。

1.歯切れがよい
 「だ・である」調で書かれ、文末の表現が異なり、もたつきがありません。「できる」「思う」「いた」「そうである」「できる」「たまらない」「誘う」「気がする」「ないだろうか」。

2.良さを認め提案している
 一方の良さを認めたうえで、問題を指摘し提案しています。「新幹線や特急電車などを利用すると、遠くの目的地にも早く着くことができる」(良さ)。「景色などをゆっくり楽しむことができず、旅の楽しみが少ないように思う」(問題)。「各駅停車の電車の旅には小さな出会いや、旅の本当の楽しさが隠れている」(提案)。

3.押しつけず主張を強調している
 読者に問いかける終わり方です。しかも「本当の」をつけ加えることによって、訴えかけが強まっています。「旅の本当の楽しさが隠れているのではないだろうか」

4.「僕」を「私」にする
 「僕もそうである」という表現は、子供と大人が混ざったような違和感があります。もし、「私もそうである」と書いてあるなら、中学生男子(14歳)の文章とは思えないようなできばえです。女子は「私」を使うのに対し、「僕」と書く男子は幼稚な印象を与えます。

 自分の考えを書く「人格」は、年齢や性別とは関係ありません。もし「私(わたし)」が気はずかしいなら、「私(わたくし)」と思って書きましょう。


参考文献
1.読売新聞:気流 「旅を楽しむなら各駅停車でゴー」(中学生 上野 捷 14)、2007年3月26日朝刊


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