中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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登山客と登山者

 新聞記事の見出しに「登山客」ということばが使われています。「登山者」としないのはなぜでしょうか。

 「登山客ら3人・・・ 岐阜」という記事は、白山山系大白水谷と、北アルプス涸沢岳と、北アルプス奥穂高岳で起きたことについて書かれています〔1〕。見出しの「登山客」は、商売人から見た客とは違います。

 記事「カタクリ満開 登山客も増」の本文は、なぜか「登山者」になっています〔2〕。「岩国市錦町の寂地山でカタクリの花が満開になった。連休を前に一足早く、山頂付近の群生地の観察を楽しむ夫婦連れや中高年グループの登山者が増えている」。軽い山歩きで、観光客ともみなせるからでしょうか。

 「雨と濃霧、登山客まばら 奥宮前もひっそり」という富士山の記事は、本文も「登山客」です〔3〕。 「9日朝の富士山頂は前日から降り続く雨に加え、濃い霧も発生、登山客の姿もまばらだった。
 一時、雨足が衰えた午前10時ごろ、浅間大社奥宮門前の広場には前夜、登山道途中の山室に宿泊した登山客が1人、2人と姿を見せた」。富士山は空気が薄くなるので、宿泊して登るのが一般的です。この山の登山者は、宿や店の客でもあります。

 松尾芭蕉の『奥の細道』に、「月日は百代の過客にして、行かふ年もまた旅人なり」と書かれています〔4〕。「月日は、永遠に旅を続けてゆく旅人のようなものであり、毎年去っては来たり、来ては去っていく年もまた旅人のようなものである」という意味です。

 芭蕉の句のように、「客」には旅人の意味があります。登山者を山旅をする人と考えると、登山客でも間違いではありません。一方、お客さん、観客という意味もあります。北アルプス登山のような場合、「登山者」としたほうが、意味を一つにすることができます。


参考文献
1.読売新聞 2007年4月30日
2.中國新聞 地域ニュース 2007年4月28日
3.静岡新聞 2006年8月9日
4.日栄社 『要説 奥の細道』


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