中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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ウサギ・カメ・お姫さまの行動

 「ウサギかカメか」の話で、登場人物の行動を、次の「倫理のことば」をもとに検証してみましょう。

自分に対する義務 他人に対する義務 未来の世代に
対する義務



自分に危害を加えるな
規則を守れ
他人に危害を加えるな
偽りの約束・契約をするな
社会的不平等を是正せよ
生命・自由・財産を侵すな
幸福の総和を最大にせよ
種・環境・資源を
未来に継承せよ



愚行をするな
自己の向上に努めよ
他人に迷惑をかけるな
困っている人を助けよ
他人の幸福に配慮せよ
社会に貢献せよ
 弱い命令:できるだけ〜するな、できるだけ〜せよ

1.ウサギの行動
 ウサギの行動は問題ないといえます。居眠りをしましたが、愚行とはいえません。カメに迷惑をかけたわけでもありません。競争なので、カメに起こされたからといって、カメの幸せに配慮しなくてもよいのです。

2.カメの行動
 カメは、自己の向上に努力しています。しかし、競争していることを忘れています。余計な行動をした結果、負けてしまいました。ウサギを起こしたのは、どうどうと戦いたかったのでしょう。

3.お姫さまの行動
 お姫さまは、規則にしたがって勝者のウサギを選びました。しかし、話し方に問題があります。カメの幸せに配慮するなら、「どんなことがあっても、私のことを思って先にきてくれたウサギさんを選びます」などと、余計なことはいわないでしょう。「私は、競争に勝ったウサギさんを選びます」と伝えればよいのです。
 お姫さまが本心ではなく、意図して自己中心・実利優先・短期展望の発言をしたとすると、「お姫さまは、こんな人だったのか」と、カメはあきらめがつくことでしょう。

 競争規則のもとでは、先を考えない、お人よしのカメの行動は、負けて当然といえます。しかし、競争に関係のない状況ではどうでしょう。

 マッキンリーで消息を絶った冒険家の植村直己さんは、ウサギよりも地道なカメに近い印象があります。植村さんは『青春を山に賭けて』(毎日新聞社)の中で、日本人初のエベレスト登頂の場面を、次のように述べています。チムニーは、体が入る縦の割れ目のことです。

 ヒラリーが苦闘したというチムニーは見当たらない。とうとう頂上近くに来てしまった。近くのコブを頂上と間違えた。ここだと思っているとまだ先があった。南壁をはさんで、西稜からつき上げている最後のコブの手前に来た。もう高いコブは見えない。明らかにエベレストの頂上だ。私をここまで導いてくれた松浦先輩に頂上をゆずった。次いで私もしっかりと頂上を踏みしめた。最終キャンプを出発して三時間過ぎた九時十分だった。

 競争がなければ、こうありたいものです。


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