中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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かぐや姫の二つの名前

 竹取物語の「かぐや姫」は、かぐわしい、心ひかれるような名前です。一方、「かごや姫」という呼び名もありました。それぞれの名前を、昔話と民話から引用して紹介します。

 つぎの昔話では「かぐや姫」です。名前は神主がつけています。

 昔むかしのお話です。あるところに、竹取の翁とよばれるお爺さんと、お婆さんが暮らしていました。お爺さんが竹を切ってくると、お婆さんが竹細工をつくります。
 ある日のことでした。お爺さんは竹やぶで不思議な竹を見つけました。一本の太い竹が美しく光かがやいているのです。
  (中略)
 「かわいい娘と大金を授けてくださりありがとうございます」
 お爺さんとお婆さんは神さまに感謝しました。そして、神主さんに頼んで、娘にかぐや姫という名前をつけてもらいました。
 「かぐや姫! よい名前じゃ」
(平田昭吾 『にほんむかしばなし かぐやひめ』、ブティック社。― 分かち書きを漢字と読点に置き換えています)

 つぎの東北地方の民話では、お爺さんとお婆さんが仕事をもとに「かごや姫」と名づけています。

 むかし、ずっとむかし、あったとな。
 爺さまと婆さまが、あったとな。
 風が吹いても、雨が降っても、爺さまは山さ竹かりに、コンカドコンカド竹をばかって、きれいなかごを作っておった。
 ある日のこと。爺さが山へはいったれば、不思議な竹が一本、キンカラキンカラ光っておった。
  (中略)
 「あれや、めんこい女わらしじゃ。おらたに子がねえさけ、神さんの授かり子かもしんね。んだらばはえく名をつけなんねべ」
 「ほだとも、おらたはかご作るかご屋だもの、かごや姫、とでもつけるがええべ」
 「かごや姫、かごや姫、めんこい名だ」
(瀬川拓男ほか 『日本の民話 ⊆然の精霊』 竹の精のかごや姫、角川文庫)

 二つの話に登場するお爺さんとお婆さんは、竹を細工する竹かご作りが生業だったようです。だとすると、「かご屋姫」がもっともらしい名前といえましょう。
 「かぐや姫」の話は西日本の朝廷と関係しています。この話が東北地方に伝わり、「ぐ」と語感の似ている「ご」に変わり「かごや姫」となったとも考えることができます。
 「かぐや姫」と「かごや姫」ではイメージが異なります。しかし、竹かごを作る人の娘であることに違いないようです。


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