中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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引用と要約

 日本における魚介類の自給率は、57%に半減したといいます。そこで日本経済調査協議会は、水産業の抜本改革を求める提言を出しました。

 この提言をもとに、「『お魚大国』をどう復活させる」という社説が展開されています〔1〕。人の話からではなく、資料から内容を伝えるには、どのような工夫があるかを見てみましょう。

 日本周辺では乱獲が進んだ結果、20種類以上の魚が資源枯渇の危機にあるという

 これでは、取り過ぎで資源が枯渇するのも当然、と指摘している

 大漁貧乏を警戒してのことという

 提言は、国が漁獲量を決める際には、業界からの要望ではなく、科学的な根拠に基づいて決めるべきだと強調する

 サンマについては、漁獲量を増やし、需要を上回って取れた分は、養殖用の魚粉などに加工すべきだ、と提案する

 国の水産関係予算の見直しも急務、と訴える

 組合員以外にも漁場を開放し、養殖事業などへの新規参入を促すべきだ、とも指摘する

 七つの文は、かぎかっこなしで資料を引用しています。引用は、取捨選択の結果です。また、引用を示す「という」を、内容によって別のことばに置き換えています。

1.かぎかっこなしで引用する
 すべての文に、「かぎかっこ」がありません。要約して引用しているからだと、考えることができます。つぎの例は、厳密な引用,ら要約的な引用い悗醗椶辰討い泙后F匹澆笋垢機∧かりやすさ、正確さなどを比べてみてください。

‘本における「魚介類の自給率は、ピークだった1964年の113%から現在では57%と半減した」という。
日本における「魚介類の自給率は、(中略) 57%と半減した」という。
F本における「魚介類の自給率は、」「57%と半減した」という。
て本における魚介類の自給率は、57%に半減したという。

2.取捨選択した結果を示す
 要約的な引用は、書き手が重要だと考えた部分が選ばれています。い任蓮◆崋給率」と「半減」が選ばれ、「ピーク年の数値」が除かれています。それでも、内容が伝わることが分かります。
 
3.「という」を具体的に表す
 「危機にあるという」では、事実をそのまま述べています。一方、「当然」「べきだ」「急務」という内容は、「指摘する」「強調する」「提案する」「訴える」を使っています。「当然という」と比べ、「当然と、指摘している」は、具体的で、書き手の考えも織り込まれています。

 危機にあるという
 枯渇するのも当然、と指摘している
 決めるべきだと強調する
 加工すべきだ、と提案する
 見直しも急務、と訴える
 促すべきだ、とも指摘する

 引用部分を「かぎかっこ」で示す書き方のほかに、要約的に引用する方法がありました。


参考文献
1.読売新聞 2007年8月27日 社説 「お魚大国」をどう復活させる
2.事実を伝える表現


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