中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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言語力と学士力

 小中高校生には「言語力」が、大学生には「学士力」が求められています。言語力は学習指導要領の改定に、学士力は中央教育審議会の提案に盛り込まれています。

 言語力は、考える力と言葉で表す力です。学士力は、卒業までに最低限身につける力です。それぞれの内容と背景をまとめてみました。

1.言語力と学士力の内容
 言語力と学士力は、知識と技術の内容が似ています。高校までに学習した知識を、大学では人文科学(歴史・哲学・言語)、社会科学(政治・経済・社会)、自然科学(数学を含め、物理・化学・生物・地学)などを教養科目として学習します。

 技術は三つに分類できます。コミュニケーション技術(思考・表現)、プロジェクト管理技術(計画・実行・評価、倫理)、問題解決技術(分析・目的・手段・計画)です。これらの技術をもつ大卒者(学士)を、産業界は求めています。なぜなら、企業における人材教育の柱になっているからです。

知識・技術 言語力(小中高校) 学士力(大学)
知識 全教科 人文・社会・自然科学
コミュニケーション
技術
作文、発表、
仮説実証、論文作成
コミュニケーション、
情報活用力、論理思考
プロジェクト管理
技術
プロジェクト管理 プロジェクト管理、
倫理、生涯学習
問題解決技術 総合、問題解決

 大学の役割は「高い教養と専門的能力を培う」ことです。これは、2006年12月に改正された教育基本法によります〔1〕。高い教養とは、人文・社会・自然科学などのことで、表の「知識」にあたります。専門的能力とは、コミュニケーション・プロジェクト管理・問題解決などの「技術」にあたります。

2.アメリカと日本の教育制度
 どのような制度のもとに、知識(教養)と技術(専門的能力)の教育が行われているでしょうか。東京大学の丹野義彦教授は『知の技法』(東京大学出版会)の中で、アメリカと日本の教育制度を比較しています〔2〕。同書によると、小・中・高等学校までは、6・3・3年で同じです。しかし、大学・大学院では、期間と内容が大きく異なっています。

 アメリカでは、大学4年間で教養教育を受け、大学院の数年間で職業専門教育を受けます。いっぽう日本では、大学の前期2年間は教養教育で、後期2年間は職業専門教育です。大学院での教育は、あいまいな状況です。

 米日の教育制度比較

 戦後の日本は、アメリカの教育制度を手本にしてきました。そのアメリカでは、成績を数値化し、進級や卒業を厳格に判定しています。言語力と学士力の強化策が打ち出されたのは、大学教育が短期間であること、大学全入時代になったこと、産業界からの要請などによる、と見なすことができます。


参考文献
1.読売新聞 2007年9月10日朝刊: 「学士力 4分野13項目 中教審が定義 大学卒業に厳格な認定試験も」、「学士力 全入時代で出口厳格化 大卒者の質低下に危機感」
2.丹野義彦: 「アンケート――基礎演習を自己検証する」 (小林康夫・船曳健夫編 『知の技法』、東京大学出版会より)
3.考える力・書く力
4.学士力で大卒者の質保証


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