中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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PISA読解力の問題2

 二つの手紙を比べてみましょう。落書きをやめてほしいヘルガと、落書きを正当化しようとするソフィア、両者のメッセージは適切でしょうか。

問題
ソフィアが広告を引き合いに出している理由はなんですか。
どちらの手紙に賛成するかは別として、あなたはどちらがよい手紙だと思いますか。片方あるいは両方の手紙の書き方にふれながら、あなたの答えを説明してください。

解答例
 論証と説得の観点から、二つの解答例を示します。

落書きを正当化したかったので。
ヘルガの手紙がよい。
 ヘルガは、落書きの創造力を認めつつも、落書きをしないでと訴えている。理由として、落書きは社会に損失を与え、建物を台なしにすることを挙げている。
 一方のソフィアは、落書きは許されると述べている。しかし、理由は適切とはいえない。広告する場合は看板設置などの許可が必要である。公共の建物や他人の所有物に勝手に落書きはできない。壁の模様や色が洋服に真似されたからといって、落書きの行為が受け入れられたとはいえない。

(別の解答例)
ヘルガの手紙がよい。
 相手を認め、愚かな行為を気づかせようとしている。落書き者の創造力を、「見上げたものだ」としている。相手は好感をもちやすくなる。落書きにも通じる芸術という言葉を使っている。芸術作品である建物を台なしにすることは「悲しい」と述べ、共感を誘う。消されてしまう犯ざい的な落書きではなく、自己の表現方法を他に探してしてほしいと、相手の立場で提案している。

ヘルガ ソフィア
主張 落書きをしないで。
落書きは許される。
理由 落書きを消して塗り直すのは、
今度で4度目だ。

創造力という点では認める。
社会に損失を負担させずに、自
己表現の方法を探してほしい。
芸術作品である
建物を台なしに
しない
で。
落書しても消されてしまう。
看板や目ざわりなポスターなど
広告は、許可を得ないで大抵
許されている。
(だから落書きも
許可を得ないで許される)
落書きを目ざわりとするか、
受け
入れるかは人の好みによる

壁に描かれた模様や色を真似
たものは、受け入れられている。
評価 △他人に迷惑をかけるな
社会に損失を負担させるな
建物を継承せよ
×落書きも、許可を得ないで許
される

×受け入れは人の好みによる。

 解答にあたり、両者の主張とその理由、理由の評価をつぎの上の表にまとめました。評価の観点は「倫理のことば」にあるつぎの3点です。
 ・他人の財産を侵すな
 ・環境・資源を未来に継承せよ
 ・できるだけ他人に迷惑をかけるな

倫理のことば
自分に対する義務 他人に対する義務 未来の世代に
対する義務



自分に危害を加えるな
規則を守れ
他人に危害を加えるな
偽りの約束・契約をするな

社会的不平等を是正せよ
生命・自由・
財産を侵すな
幸福の総和を最大にせよ
種・環境・資源を
未来に継承せよ



愚行をするな
自己の向上に努めよ
あいさつをせよ
感謝せよ
他人に迷惑をかけるな

困っている人を助けよ
他人の幸福に配慮せよ
社会に貢献せよ
 弱い命令:できるだけ〜するな、できるだけ〜せよ
                            (2007年6月11日改定)


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