中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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論文の論証と説得

 論文の書き方について、いろいろな本が出ています。その中で、論文の目的を「論証」と述べているものと、「説得」と述べているもの、明記していないものがあります。

 8冊の本を調べてみました〔1〕。論文の目的は「説得」が多いことがわかります。「明記なし」を除くと、8割(=4÷5)が説得です。とくに文科系では、論証1に対し、説得は3になっています。

論文の目的  論証  説得 明記なし
理科系
文科系

 論証は論理に関係し、説得は論理のほかに心理にも関係します。辞書によると、説得は「相手を納得させること」です。納得を目的にすると、論理以外にも手段がありえます。
 ・何度もくり返す
 ・誇張する
 ・感情に訴える
 ・特殊な例を用いる
 ・推理や推測を多用する

 文科系に「説得」の割合が多いのは、論証が難しいからなのでしょう。社会現象、人の行動、歴史などは考えを実証しにくく、理科系以上に捉え方が人によって異なる可能性が高いからです。

 たとえば『知の論理』によると〔2〕、「人文・社会系の分野では、(論文)審査制度が理科系ほどには機能していません」。理由として、「文科系の論文では異なる価値観の間での解釈を論じる場合が多いので、公正な審査基準を設定しにくい」ことが指摘されています。


参考文献
〔1〕木下是雄『理科系の作文技術』(中公新書)、高木隆司『理科系の論文作法』(丸善ライブラリー)、澤田昭夫『論文のレトリック」(講談社学術文庫)、西 研『「考える」ための小論文』(ちくま新書)、加藤恭子『英語小論文の書き方』(講談社現代新書)、馬場博治『作文に強くなる』(岩波ジュニア新書)、小川原誠『読み書きの技法』(ちくま新書)、古郡挺治『論文・レポートのまとめ方』(ちくま新書)
〔2〕長谷川寿一「卒業論文をどう書くか」(小林康夫・船曳建夫編『知の論理』 東京大学出版会)


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