中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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説得の論理構造

 説得の目的は論証することではなく、同意を得ることです。前回、同意を得るための表現を「命令」とよぶことにしました。命令とその理由を、相手が理解し納得し、同意によって行動を促します。

   説得の相互理解

 説得と論証の論理構造は同じです。「結論。なぜならば、理由」です。ただし、説得の結論は相手に対する個別の命令です(個別命令とよぶことにします)。説得の理由は、主張と事実と行動規範を示す普遍的な命令(普遍命令とよぶことにします)から構成されます。普遍命令には、つぎのような「倫理のことば」があります。

自分に対する義務 他人に対する義務 未来の世代に
対する義務



自分に危害を加えるな
規則を守れ
他人に危害を加えるな
偽りの約束・契約をするな
社会的不平等を是正せよ
生命・自由・財産を侵すな
幸福の総和を最大にせよ
種・環境・資源を
未来に継承せよ



愚行をするな
自己の向上に努めよ
あいさつをせよ
感謝せよ
他人に迷惑をかけるな
困っている人を助けよ
他人の幸福に配慮せよ
社会に貢献せよ
弱い命令:できるだけ〜するな、できるだけ〜せよ  (2007.6.11改定)

 タバコの例で説得の論理構造を説明します。
  「すみませんが、タバコを吸わないようにお願いできますか」
  「この車輛は禁煙になっています」

 命令を「したほうがよい」に統一して表すと、つぎのような論理構造ができます。
 例:禁煙依頼の論理構造
   ここでタバコを吸わないほうがよい。  個別命令
    この車輛は禁煙である。         主張
     禁煙表示がある。             事実
    規則を守ったほうがよい。        普遍命令

 喫煙者に対する「ここでタバコを吸わないほうがよい」という個別命令は、「この車輛は禁煙である」という主張と、主張を支える「禁煙表示がある」という事実と、「規則を守ったほうがよい」という多くの人が認める普遍命令から理由づけられています。

 この例の場合は、個別命令と主張を述べればよいでしょう。「タバコを吸わないでください。禁煙なので」によって内容が伝わる可能性が高いからです。もし相手が納得しない場合は「禁煙の表示があります」という事実を伝え、それでも納得しない場合は「規則を守りましょう」という普遍命令を伝えることができます。


参考文献
1.草野耕一: 日本人が知らない説得の技法、講談社
(詳細は、弁護士・草野耕一さんの著書をご覧ください。説得の技法が、構造・哲学・倫理・心理などの面から合理的に解説されています)
2.倫理のことば


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