中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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美を護る

 紀伊半島の山を、西から東へ3分の2歩いたことがある。大峰山脈では、奥駈けといわれる行者の修行路を歩き、女人禁制の大峰山(山上ヶ岳 1719m)に向った。山中で嵐にあい、6日目に大峰山の山頂に近づいた。そのときの様子が記録に残っている。

 霧の合間に大峰山の建物が見える。近いと思うが、なかなか着かない。山の斜面につけられた道に、発砲スチロールでできたラーメンどんぶりの容器が落ちている。拾おうとするが、なんとなくやめる。白い袋がまた落ちている。もうすぐ大峰の山寺だが、右斜面に木造の厠がそのまま落ちている。缶などのゴミが山ほど斜面に捨てられている。山上ヶ岳の山上は、ゴミの山の惨状だ。
 これが奥駆けの結末か。 (「紀伊半島の山旅」より)

 当時、霊場にゴミを捨てることが理解できなかった。男だけなので、気にしないのだろうか。あらためて考えてみた。

 要らなくなったものを、まとめて他の場所へ移すことを「掃除」という。同じ斜面に捨て続けているので、少なくとも掃除という考えはあるようだ。

 ゴミは、要らないもの、役に立たないもの、汚いものである。もし、「汚い」「護美(美を護る)」という「ゴミ」の考えがないとすると、掃除の結果としての廃物を、登山者の私はゴミとして見ていたことになる。

 山上には、「掃除」という言葉はあったが、「ゴミ」という言葉はなかったのかもしれない。


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