中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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二つの書き出し

 違うようで似ています。二つの文章の書き出しを比べてみましょう。

 ガチャン、ガチャン__。 校舎の片隅では、生徒たちがジュースやビールなどのアルミ缶を踏みつぶす作業に精を出している。
 貧困で十分な教育を受けられないラオスの小学生を支援しようと、約10年前から非政府組織「日本民際交流センター」の奨学金事業に参加。アルミ缶を回収し、売り上げの一部を現地の小学生の就学費用に充てている。〔1〕

 蒸し暑い日の昼すぎ、青空にもくもくと雄大積雲が成長していた。雲は山の大きさにも匹敵し、とても迫力がある。雲の中では激しい上昇気流が起こり、カリフラワーのようなたくさんの丸いかたまりが雲を成長させている。〔2〕  

 初めの文章は音で始まり、次の文章は情景で始まります。「ガチャン、ガチャン」、「…青空にもくもくと雄大積雲が成長していた」。ともに感性に訴えかけています。

 書き出しは文章への入り口です。2つの例のように、耳や目で身近に感じるほうが、入りやすいものです。

 ただし擬音語について、三島由紀夫は「文章読本」で次のように述べています。

 「玄関のベルがチリリントと鳴った」「開幕のベルがジリジリジリと鳴って、芝居が始まった」子供はこういう文章を非常に使いたがります。
 擬音詞の第一の特徴は抽象性がないということであります。それは事物を事物のままに人の耳に伝達するだけの作用しかなく、言語が本来の機能を持たない、堕落した形であります。

 川端康成の「雪国」が擬音語で始まると、どうでしょうか。
  ガタン、ゴトン__。 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。


参考文献
〔1〕読売新聞 5月30日朝刊 学校自慢「小田原市立鴨宮中学校 アルミ缶回収して就学支援」
〔2〕同紙 2008年5月26日夕刊 そら彩々「入道が成長すると雷神に」


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