中学からの作文・論文

作文・論文を書くための本質化・論理構成・文章表現。
(基礎知識: ことわざ・慣用句、三字・四字熟語、古文、漢字)
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公立高校入試 国語3

 神奈川県の公立高校入試で出題された古文を読んでみましょう。

 享保のころ、高鳥の九兵衛といふ者あり。この人はじめはその性猛く邪見にして、人に負け嫌ひな男なりしが、御法義に入りしより(注)、自然とものごと優しく聞こえしなり。
 ある年夏日照りの節、山へ草を刈りに行き、わが田地のあたりをかへりみるに、何者のしわざにや、溝の口をふさぎ、水一滴もわが田へは来たらず、ことごとく他人の田へ水の流れ入るやうになりたるを見て、草を刈りに出でたるに草をも刈らずしてわが家に帰り、やがて仏前に灯明を捧げ、妻子を呼び、「御礼申せ」と言ふ。妻子も不審に思ひ、「草を刈らず急に帰りて、仏前に拝礼せらるるは、いかなる子細ぞ」と問へば、水のゆゑを語りて言ふやう、「これはわが前世に、人の出へ掛くる水をせき止めたる報いなるべし、昔のときにしもあらば、腹の立つにまかせて、また人の水口をふさぐべきに、前世の業(ごう)なりと気を付けさせくださるるは、ひとへに大善知識の厚き御教化(注)の顕(あらは)れなり。この御礼を申さではあるべからずと思へば、かくはするなり」と言ひける。
 近隣、これを伝へ聞いて、「さても我々は恥ずかしき心なり」とて、その後は、九兵衛が田へはいつも水あたりよきやうに、仕向けしとなり。

 御法義に入りしより … 仏教を信仰するようになってから。
 大善知識の厚き御教化 … 高僧の尊い教え。
(「妙好人伝」 から)

 妙好人(みょうこうにん)は、すぐれた念仏行者のことです。教えを受けた九兵衛が、よい意味での我田引水をすることよって、近隣の人たちが感化されます。

問題 下線の言葉の意味を書いてみましょう。
(1) 優しく  (ヒント: 気だての優しい人)
(2) やがて
(3) ゆゑ
(4) 報いなるべし
(5) 御礼を申さではあるべからず
(6) かくはするなり
(7) さても

答 え












答 え
(1) 素直に
(2) すぐに
(3) 起こったわけ
(4) 報いにちがいない
(5) お礼を申し上げないのはいけない(あってはならない)
(6) このようにするのだ
(7) なんとまあ

我田引水(がでんいんすい): 自分の都合のいいように言ったり行動したりすること。


参考文献
読売新聞 2009年2月20日朝刊 「公立高校入試特集・神奈川 国語」
(表記の一部を変更しています)


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